若手の頃、部長に「二つ上の役職を見ろ」と言われて変わった仕事の考え方

若手の頃、尊敬していた部長から言われた言葉があります。

「一つ上ではなく、二つ上の役職を意識して仕事をした方がいい」

当時の私にとって、一つ上の役職は課長でした。

普通に考えれば、まず課長を目指して仕事をするのが自然です。

それなのに、なぜ「一つ上」ではなく「二つ上」なのか。

部長の話を聞いて、私はその考え方に納得しました。

一つ上の課長だけを見て仕事をしていると、自分の成長曲線も課長レベルで止まりやすい。

かといって、本部長のように当時の自分から何段階も上の役職を見ても、仕事の範囲や責任が違いすぎます。

レベルが高すぎて、かえって自分が何をすればいいのか分からなくなる。

だから、少し背伸びをすれば見える「二つ上」を意識する。

この考え方は、その後の私の仕事の仕方に大きく影響しました。

そして自分自身が管理職になった今、若手の頃よりも、この言葉の意味を感じています。

この記事では、私が「二つ上の役職」を意識することで、仕事の見方がどう変わったのかを書いてみます。

目次

「二つ上の仕事をする」という意味ではなかった

「二つ上の役職を意識する」と聞くと、

「自分の役職を超えた仕事までやる」

という意味に聞こえるかもしれません。

私が実際にやったのは、少し違います。

部長と同じ仕事をしようとしたわけではありません。

私が意識したのは、

「部長は何を考えているのだろう」

ということでした。

会議や仕事の中で、

「部長は何を気にしているのか」

「何を基準に判断しているのか」

「課長と部長では、同じことを見ても何が違うのか」

と考えるようになりました。

二つ上の役職の仕事をするのではなく、二つ上の役職の人が持っている視点を理解しようとしたのです。

課長と部長では「見ている範囲」が違った

部長の考え方を意識して見るようになると、課長との違いにも気づくようになりました。

私が当時見ていた範囲では、課長は自分が担当する「課」を中心に考えて判断することが多かったと思います。

一方で、部長はそれよりも広く、会社全体への影響まで考えて判断していました。

これは、どちらが正しいという話ではありません。

役職によって、任されている範囲や責任が違います。

だからこそ、判断するときに見る範囲も変わるのだと思います。

若手だった私は、どうしても自分の担当している仕事を中心に考えていました。

そこから課長の視点を意識すれば、課全体を見るようになります。

さらに部長の視点を意識すると、

「自分の仕事にとってどうか」

だけではなく、

「組織や会社全体で考えたらどうなのか」

というところまで視野を広げる必要があります。

二つ上の役職を見ることで、私はこの違いを意識するようになりました。

「自分の組織だけが得をする」ではなくなった

部長の判断軸を考えるようになってから、私自身の仕事でも意識することが変わりました。

それが、

「自分の組織と会社の両方にとって得になる方法はないか」

と考えることです。

自分の組織だけを見れば、メリットのある選択肢はあります。

でも、それによって別の組織に大きな負担がかかったり、会社全体では非効率になったりするのであれば、本当に良い判断なのかは分かりません。

反対に、

「会社全体のためだから」

と、自分の組織だけが負担を抱え続けるのも違うと思います。

自分の組織にもメリットがあり、会社全体にとってもプラスになる。

できるだけ両方が得をする方法はないか。

そう考えるようになったことは、若手の頃に二つ上の役職を意識したことで生まれた変化の一つです。

一つ上だけを見ていたら、気づかなかったかもしれない

直属の上司を見ることは大切です。

私自身も、上司が何を考えているのかは当然意識しています。

ただ、直属の上司だけを見ていると、その人が担当している範囲の中で仕事を考えやすくなります。

若手の頃の私でいえば、課長だけを見ていたら、

「課長ならどう考えるだろう」

というところまでは考えられたと思います。

でも、さらにその上の部長を意識したことで、

「部としてはどうなのか」

「会社全体で考えるとどうなのか」

という、もう一段広い視点があることに気づきました。

これが、私が考える「二つ上を見る」ことの大きな意味です。

次の役職になるためだけに仕事をするのではなく、その先で必要になる視点を少し早くから持っておく。

若手の頃に部長が言っていた「成長曲線」の意味を、私はそんなふうに捉えています。

管理職になった今も「二つ上を見る」は役立っている

その後、私自身も管理職になりました。

管理職になって感じるのは、直属の上司を見ながら仕事をしている人が多いということです。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。

直属の上司の方針や考え方を理解しなければ、組織の中で仕事を進めるのは難しいからです。

ただ、私は若手の頃の経験もあって、さらに上の役職の人が何を考えているのかも意識するようにしています。

さらに上の役職の人との接点を作る。

話をする。

その人が何を重視しているのかを知る。

どういう情報があれば判断しやすいのかを考える。

こうしたことは、管理職になった今の仕事でも役立っています。

上の判断軸を知ると、難しい根回しが進めやすくなった

特に役立っていると感じるのが、社内での根回しです。

管理職になると、自分の組織だけでは完結しない仕事が増えました。

複数の組織が関係し、簡単には調整できないこともあります。

そういう場面で、普段からさらに上の役職の人と接点を持ち、その人の考え方を理解していると、話を持っていきやすくなりました。

たとえば、

「この人なら、ここを気にするだろう」

「この情報は先に説明しておいた方がいい」

と考えて準備できます。

その結果、以前ならかなり苦労していたような調整でも、想像していたよりスムーズに承認をもらえることがありました。

ここで大切なのは、単に「偉い人と仲良くなれば仕事が通りやすくなる」という話ではありません。

私が役立ったと感じているのは、相手との接点があることで、その人の判断軸を理解しやすくなったことです。

何を重視する人なのか。

何を懸念するのか。

どこまで説明すれば判断できるのか。

それが分かっていれば、根回しの段階から必要な情報を準備できます。

難しい調整ほど、この違いは大きいと感じています。

「二つ上を見る」は、上司を飛び越えることではない

一方で、「さらに上の役職とパイプを作る」という部分だけを切り取ると、直属の上司を飛び越えて仕事をするようにも見えます。

私が考えているのは、そういうことではありません。

直属の上司との関係は当然大切です。

そのうえで、

「さらに上では、どんなことが議論されているのか」

「会社として、どこへ向かおうとしているのか」

「自分より広い責任を持つ人は、何を基準に判断しているのか」

を理解する。

その視点を自分の仕事に持ち帰ることに意味があると思っています。

二つ上の役職を意識する目的は、上司を飛び越えることではありません。

自分の視野を、今の役職より少し先まで広げること。

今の私はそう考えています。

「二つ上」を意識しても、その役職になったつもりにはならない

もう一つ、気をつけたいことがあります。

二つ上の役職を意識することと、

「自分はその役職と同じレベルで判断できる」

と思うことは別です。

実際にその役職にならなければ分からない責任や情報もあります。

若手と部長では、持っている情報も違います。

一般社員と管理職でも、背負っている責任は違います。

だから私は、「二つ上の役職だったら絶対こう判断する」と決めつけるのではなく、

「この人はなぜこう判断したのだろう」

と考えることの方が大切だと思っています。

分からなければ、話を聞く。

会議での発言を見る。

何を気にしているのか観察する。

そうやって少しずつ判断軸を理解していく。

私にとっての「二つ上を見る」は、そういう仕事の仕方です。

管理職になった今、部下にも同じことを伝えている

若手の頃、尊敬していた部長から、

「二つ上の役職を意識した方がいい」

と教えてもらいました。

当時は、自分の成長曲線を伸ばすためのアドバイスとして受け取っていました。

その言葉をきっかけに部長を意識して見るようになり、課長と部長では判断するときに見ている範囲が違うことに気づきました。

そして、自分の組織だけではなく、会社全体にとってもプラスになる方法を考えるようになりました。

さらに、自分自身が管理職になった今。

上の役職の人の考え方を理解しておくことは、難しい社内調整や根回しでも役立っています。

若手の頃に聞いた言葉が、今の自分の仕事にも残っている。

だから私は今、部下にも同じように、

「一つ上だけではなく、二つ上の役職を意識した方がいい」

と伝えています。

昔、部長から教えてもらったことを、今度は自分が管理職として部下に伝えるようになりました。

それだけ、自分の仕事の考え方に残っている言葉なのだと思います。

まとめ|二つ上を見ると、今の仕事の見え方が変わる

「二つ上の役職を意識する」といっても、その役職の仕事を勝手にやる必要はありません。

私が若手の頃から意識してきたのは、その人が何を見て、何を気にして、何を基準に判断しているのかを考えることです。

課長と部長では、任されている範囲が違います。

役職が上がれば、組織だけではなく、より広い範囲を考えて判断する場面も増えていきます。

自分より二つ上の役職を意識すると、今の自分とは違う視点に気づくことができます。

そして、その視点を今の仕事に少しずつ取り入れる。

私の場合、それが自分の組織と会社全体の両方を考えることにつながり、管理職になってからは、上の役職とのコミュニケーションや難しい社内調整にも生きています。

若手の頃に言われた、

「二つ上の役職を見た方がいい」

という言葉。

管理職になった今振り返ると、これは単に昇進するためのアドバイスではなかったと思います。

今の自分より少し広い視点で仕事を見るための考え方だった。

だからこそ今も、私が部下に伝えている言葉です。

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