中間管理職は30代の「下積み」だと思う|しんどくてもメンバーに戻りたいとは思わない理由

管理職になって、自由は確実に減りました。

自分ではコントロールできない仕事が増え、メンバーの仕事で問題が起きれば、自分が直接関わっていなくても対応しなければならない。

発言一つにも気を使います。

正直、中間管理職は大変です。

それでも私は、メンバーに戻りたいとは思いません。

なぜなら私にとっては、50代になっても今と同じような細かな実務を一つひとつこなし続ける働き方の方が、モチベーションを保つのが難しいと思うからです。

仕事人生は長い。

20代と30代で仕事が変わったように、40代、50代になったときにも、そのときの経験に応じた仕事をしていたい。

私が出世を目指す理由は、肩書きそのものが欲しいからではありません。

年齢を重ねるにつれて、仕事の中身そのものを変えていきたいからです。

そう考えると、今の中間管理職という立場はゴールではありません。

その先の仕事をするための「30代の下積み期間」なのだと思っています。

今回は、実際に管理職になって感じていることと、それでも私がこのキャリアを続けたいと思う理由について書いてみます。

目次

管理職になる前は「できることが増える」と思っていた

管理職になる前、私は出世に対して比較的ポジティブなイメージを持っていました。

給料が上がる。

自分で決められる範囲が広がる。

会社から評価されたことで、周囲からの見られ方も変わる。

役職が上がれば、それだけ自分の裁量も広がり、仕事を動かしやすくなるのだと思っていました。

実際に管理職になって、給料は上がりました。

決められることも増えました。

ただ、想像していたのとは少し違いました。

権限が増えることと、自由になることは同じではなかったからです。

むしろ役職が上がるほど、自分ではコントロールできないものが増えていきました。

メンバーの頃は「自分が頑張れば何とかなる」世界だった

メンバーとして働いていた頃は、自分の能力でコントロールできる範囲がかなりありました。

知識を増やす。

仕事を早くする。

段取りを工夫する。

事前に準備する。

経験を積めば、それだけ仕事もうまく進められるようになります。

忙しいときも、自分の時間配分を変えることで調整できました。

もちろん周囲との関係はありますが、自分の担当業務であれば、

「自分が成長すれば、何とかできる」

という感覚が強かったと思います。

ところが管理職になると、成果を出す主体は自分一人ではありません。

ここが大きく変わりました。

管理職になると「自分では変えられないもの」に責任を持つ

メンバーには、それぞれ違いがあります。

能力も違う。

得意不得意も違う。

仕事への考え方も違う。

成長するスピードも違います。

もちろん、上司として育成することはできます。

ただ、その人がもともと持っている素養や価値観まで、短期間で変えることはできません。

仕事をしていれば、

「自分でやった方が早い」

と思う場面はあります。

でも、すべて自分でやってしまえば組織としては強くなりません。

任せる必要があります。

そして任せた結果として問題が起きれば、最後は管理職として対応することになる。

クレームが起きれば、自分が担当していなかった案件でも関与します。

突然予定が変わり、自分の仕事が後回しになることもあります。

管理職になって一番難しいと感じたのは、

「自分ではコントロールできないものに責任を持つ」

ということでした。

メンバーの頃にはなかった精神的な負担です。

管理職になると「一言」が軽くなくなる

もう一つ変わったのが、発言です。

メンバーの頃なら気軽に言えたことでも、管理職になると受け取られ方が変わります。

自分では雑談のつもりでも、部下からすれば「上司の発言」です。

「これは指示なのか」

「評価に関係するのか」

そう受け取られる可能性もあります。

だから、以前より言葉を選ぶようになりました。

しかも、自分にも上司がいます。

部下の気持ちを考えながら、組織として求められていることも伝えなければならない。

中間管理職の「中間」という言葉の意味を、自分がその立場になって初めて実感しました。

それでも私は、メンバーには戻りたいと思わない

ここまで書くと、

「それなら管理職を辞めて、メンバーに戻った方が楽なのでは?」

と思うかもしれません。

でも私は、そうは思いません。

むしろ、今のところ戻りたいという気持ちはほとんどありません。

管理職が楽しいからではありません。

精神的な負担は増えました。

自分ではどうにもならないことも増えました。

それでも私は、メンバーとして細かな実務をずっと続ける未来の方が、自分には合わないと思っています。

30年間、同じ仕事を繰り返す方が自分にはつらい

会社員として働く期間は長いです。

30代であれば、この先まだ20年、場合によっては30年近く働きます。

その間ずっと、同じ種類の実務を繰り返す。

少なくとも私は、それにモチベーションを持ち続けられる自信がありません。

誤解のないように書くと、プレイヤーとして働き続けることを否定しているわけではありません。

一つの専門性を極めることに面白さを感じる人もいます。

年齢を重ねても現場の第一線で成果を出し続けることに価値を感じる人もいます。

それも立派なキャリアだと思います。

ただ、私はそのタイプではありません。

私は、

年齢や経験が変わるなら、仕事の内容も変わっていってほしい

と思っています。

20代では、自分の仕事をできるようになる。

30代では、自分だけでなく人や組織を見るようになる。

40代になれば、さらに大きな組織やテーマを扱う。

50代になれば、また違う役割を担う。

そうやって仕事の中身そのものが変化していく方が、自分にとっては面白い。

会社員人生を一つの長い仕事として見るのではなく、10年ごとに違う仕事を経験していくような感覚でいたいと思っています。

出世したいのは「偉くなりたいから」ではない

若い頃の私は、出世というものをもう少し単純に考えていました。

給料が上がる。

権限が増える。

周囲から認められる。

もちろん今でも、それらはメリットだと思っています。

でも実際に管理職になってみて、出世に対する考え方は少し変わりました。

今の私が次の役職を目指したいと思う理由は、

偉くなりたいからというより、違う仕事をしてみたいから

です。

今と同じ仕事を、より上手にできるようになることだけが成長ではないと思っています。

今までとは違うテーマを考える。

違う責任を持つ。

違う人と仕事をする。

違う意思決定をする。

そうやって、自分の仕事そのものを変えていきたい。

だから私にとって、出世は目的というより、仕事の内容を変えていくための一つの手段なのだと思います。

管理職になって「自分の仕事」から「組織の仕事」を考えるようになった

実際、管理職になってから仕事を見る範囲は大きく変わりました。

メンバーの頃は、

「自分の担当業務をどう進めるか」

「自分の数字をどう作るか」

を中心に考えていました。

今は違います。

誰をどの仕事に配置するのか。

何を優先するのか。

限られた人員で、どう成果を出すのか。

人・物・金・情報をどう動かすのか。

人事について考えることも増えました。

つまり、自分が一件の仕事をどう処理するかではなく、

限られた資源を使って、組織としてどう成果を出すか

を考えるようになりました。

これは、メンバーだった頃にはほとんど経験できなかった仕事です。

上の役職者との会話も変わった

自分より上の役職者との会話も変わりました。

以前は、自分の担当案件について話すことが中心でした。

今は、

組織全体の数字。

人員配置。

仕事の優先順位。

今後の課題。

組織としてどこに力を入れるか。

そうしたテーマについて話す機会が増えました。

当然、求められる思考のレベルも上がります。

自分の担当範囲だけを見ていればいい世界ではありません。

最初からすべて理解できるわけではありませんが、こうした会話に触れることで、自分の考え方も少しずつ変わってきたと感じます。

これが、管理職になって得たものの中ではかなり大きいです。

給料が上がることも、もちろん大事

もちろん、給料が上がったこともメリットです。

ここはきれいごとにする必要はないと思っています。

責任が増えるのだから、それに応じて待遇も上がってほしい。

会社員として働く以上、ごく自然なことです。

家族との生活にもお金は必要です。

子どもの教育にもお金はかかります。

将来への備えも必要です。

私は、

「やりがいがあれば給料はどうでもいい」

とは思いません。

責任が増え、仕事の難易度が上がる一方で、収入も増える。

それも、役職を上げていく意味の一つだと思っています。

中間管理職は、次の仕事をするための「下積み」

それでも、中間管理職が楽な立場だとは思いません。

上司と部下の間に立つ。

自分ではコントロールできないことに責任を持つ。

どんなメンバーと働くかによって、チーム運営の難しさも変わる。

精神的にはかなり負担があります。

でも、その先の仕事をしたいなら、この経験は避けて通れないとも思っています。

人に仕事を任せる。

人を育てる。

組織として優先順位を決める。

人・物・金・情報を動かす。

問題が起きたときに責任を持つ。

上司と部下の間で調整する。

こうした経験をしないまま、さらに大きな組織を動かす立場になるのは難しいはずです。

だから私は、今の中間管理職という立場をゴールだとは考えていません。

むしろ、

次の仕事をするために必要な、30代の下積み期間

だと思っています。

40代、50代でも仕事の内容を変えていきたい

私が今後どうなるかは分かりません。

希望通りに昇進できるとは限りません。

会社の人事は、自分の努力だけで決まるものでもありません。

それでも、自分がどんな仕事をしたいかは考えておきたいと思っています。

30代の今は、人や組織を動かす経験を積む。

40代になったときには、もう少し大きな範囲の意思決定に関われるようになりたい。

50代になったときには、今とはまた違う役割を担っていたい。

そうやって、

年齢を重ねることを「同じ仕事に慣れていくこと」ではなく、「違う仕事ができるようになること」にしたい。

それが、自分の理想です。

30年間、同じ役割を続けるより、仕事そのものを変えていきたい

仕事のキャリアには、いろいろな形があります。

専門性を極める人もいる。

プレイヤーとして成果を出し続ける人もいる。

管理職として組織を動かす人もいる。

どれが正解という話ではありません。

大切なのは、自分がどんな仕事なら長くモチベーションを保てるかだと思います。

私の場合は、同じ種類の仕事を何十年も繰り返すよりも、経験に合わせて仕事そのものを変えていきたい。

メンバーの頃は、自分の仕事をどう進めるかを考えていました。

管理職になった今は、人や組織をどう動かすかを考えています。

さらに上の立場になれば、考えるテーマも責任もまた変わるでしょう。

私は、そうやって仕事の中身が変化していくキャリアを選びたいと思っています。

だから、中間管理職がしんどくても、メンバーに戻りたいとは思いません。

今の大変さも、その先の仕事をするために必要な経験だと考えています。

30年間、同じ役割を続けるよりも、経験を積むごとに違う仕事をしていきたい。

20代と30代で仕事が変わったように、40代、50代でも自分が担う仕事を変えていきたい。

そのために、今の中間管理職という経験が必要だと思っています。

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