営業というと、
「商談で何を話すか」「どうやって提案するか」
「お客様からニーズを引き出すにはどうすればいいか」
といった、商談中のスキルに注目しがちです。
もちろん、商談の質はとても大切です。
でも、営業で管理職をしていると感じることがあります。
それは、
商談が終わった瞬間から、次の勝負が始まっている
ということです。
同じような商談をしていても、その後すぐに動く人と、数日経ってから動く人では、案件の進み方が変わってきます。
私自身、一人の担当して法人営業の仕事をする中で、商談後の動きはかなり大切にしてきました。
管理職になってから、部下の商談後の動き方はより気になるようになりました。
商談後の動き方が悪い営業は、仕事の質も全体的に低く、顧客評価も低いことがわかったからです。
これは、特別な営業テクニックではありません。
むしろ、
「宿題をすぐやる」「話したことを整理する」「次に何をするのか決める」
といった、社会人として、ごく基本的なことです。
でも、こうした基本を毎回きちんと続けられるかどうかで、営業としての信頼には少しずつ差がついていきます。
今回は、営業で成果を出すために僕が大切だと考えている「商談後にやること5選」を紹介します。
商談が終わったら、まず「宿題」を整理する
商談が終わったら、最初に確認したいのが、
「自分は何を持ち帰ったのか?」
です。商談では、さまざまな宿題が発生します。
例えば、
- 見積書を送る
- 資料を修正する
- 製品仕様を確認する
- 社内の担当部署に確認する
- 導入事例を送る
- スケジュールを確認する
- 次回の提案内容を考える
などです。
商談直後なら覚えていても、次の商談や会議が始まると、細かい内容はどんどん抜けていきます。
だから僕は、商談が終わったらできるだけ早い段階で、
「誰が・何を・いつまでにやるのか」
を整理することが大切だと思っています。
特に気をつけたいのが、
「確認しておきます」「またご連絡します」
と何となく約束してしまったもの。
こちらにとっては小さな確認でも、お客様は回答を待っているかもしれません。
商談が終わったら、
今日、自分は何を約束しただろう?
と一度振り返る。
これだけでも、対応漏れはかなり減らせます。
宿題は「締め切り」ではなく、できるだけすぐ着手する
商談で、
「今週中に送ります」
と約束した資料があったとします。
月曜日の商談なら、金曜日までに送れば約束上は問題ないかもしれません。
でも、僕はできる仕事ならその日のうちに着手するほうがいいと思っています。
理由は単純です。
時間が経つほど、
商談で話した内容や相手の温度感を忘れてしまうから。
商談直後なら、
「あのお客様はここを気にしていたな」「この資料を追加したほうが分かりやすそうだ」
「この質問には補足を入れたほうがいいな」
と覚えています。
ところが3日経つと、記憶はかなり曖昧になります。
そしてもう一つ。
対応が早いこと自体が信頼につながることがあります。
「確認します」と言った内容が、その日のうちに返ってくる。
「資料を送ります」と言ったものが、すぐ届く。
それだけで、
「この営業、ちゃんとしているな」
と思ってもらえることがあります。
営業では、ものすごく上手なプレゼンよりも、
こうした小さな信頼の積み重ねが効く場面も多い
と感じています。
商談内容を「顧客の課題」に変換して残す
商談メモを取るとき、
「お客様が言ったこと」
だけを書いて終わっていないでしょうか。
例えば、
「価格を下げてほしい」「納期を早くしてほしい」「この機能が欲しい」
といった内容です。
もちろん、これらを記録することは大切です。
ただ、もう一歩考えておきたいのが、
「なぜお客様はそう言ったのか?」
です。
例えば、
「価格を下げてほしい」
と言われたとします。
でも、その背景には、
- 予算そのものが足りない
- 社内決裁の上限がある
- 競合のほうが安い
- 費用対効果を説明できない
- 上司を説得する材料が足りない
など、さまざまな理由があります。
つまり、
顧客の要望=顧客の課題
とは限りません。
商談後に、
「このお客様は結局、何に困っているんだろう?」
と考えてみる。
そして自分なりに仮説を立てる。
これを繰り返していると、次回の商談で聞くべきことも見えてきます。
単なる御用聞きではなく、
お客様の課題を一緒に整理できる営業になるためにも、商談後の振り返りは大切です。
また、日々振り返ることで、お客様の考え方を正しく知ることに繋がり、競合よりも一歩リードすることができます。
次のアクションを必ず決める
商談後に意外と怖いのが、
「いい商談だった」で終わること。
話は盛り上がった。お客様の反応も良かった。資料もきちんと説明できた。
でも、
「じゃあ次は何をするんだっけ?」
となっている。
営業では、商談の満足度以上に、
案件が次に進んでいるか
を見ることが大切です。
例えば、
- 次回の打ち合わせ日を決める
- 見積書を提出する
- 技術担当を交えて打ち合わせをする
- お客様側で社内確認してもらう
- 決裁者への説明機会を作る
- テスト導入をする
- 契約条件を詰める
など。
案件によって次のステップは違います。
でも、商談が終わった時点で、
「次に誰が何をするのか」
が決まっている状態を作りたい。
理想を言えば、商談中に次回アクションまで合意しておく。
できなかった場合は、商談後すぐに整理しておく。
「検討します」で止まっている案件ほど、そのまま時間だけが過ぎてしまいます。
営業側から次の一歩を具体的にすることも、大切な仕事です。
社内への共有・相談を後回しにしない
法人営業の場合、営業一人だけで案件を完結できないことも多いと思います。
上司・同僚・技術・企画・法務・経理・・・
さまざまな人に協力してもらいながら案件を進めます。
そこで重要になるのが、
商談後の社内共有です。
例えば、お客様から、
「この条件なら今月中に決めたい」
と言われた。
でも営業が社内に共有したのは3日後。そこから担当部署が動き始める。
これでは、せっかくのお客様のスピード感についていけません。
特に、
- 金額
- 納期
- 契約条件
- 特殊な要望
- クレームにつながりそうな事項
- 社内判断が必要な内容
などは、早めに共有する。
営業が早く動けば、社内の人も早く動けます。
そして受注から課金までの時間も短くできます。
逆に営業が抱えていると、周囲は何もできません。数字も上がりません。
だから僕は、
「商談後の社内連携まで含めて営業活動」
だと考えています。
お客様への即レスだけではなく、社内への即共有も大切です。
商談後の「5分」で営業の質は変えられる
ここまで5つ紹介しましたが、
「商談のたびに全部やるのは大変そう」
と思うかもしれません。
でも、最初から長い振り返りをする必要はありません。
僕なら、まず商談終了後に5分だけ確保することから始めます。
確認するのは、この5つです。
- 今日の宿題は何か
- すぐ対応できるものは何か
- お客様の本当の課題は何か
- 次のアクションは何か
- 社内に共有すべきことは何か
これだけ。
移動中や次の商談までの隙間時間にやる。
できれば次の仕事に入る前に整理する。
これを習慣にすると、商談後の対応漏れがかなり減ります。
「即レス」と「雑に返す」は違う
商談後の対応を早くする話をすると、
「何でもすぐ返信すればいいのか」
と思うかもしれません。
私はそうではないと思っています。
大切なのは、
速さと正確さのバランスです。
すぐ回答できない内容なら、
「社内確認のうえ、○日までに回答します」
と一度連絡する。
それだけでも、お客様は、
「ちゃんと動いてくれているんだな」
と分かります。
逆に、早く返すことだけを優先して間違った情報を伝えてしまえば、信頼を失う可能性があります。
だから、
すぐ答えられる → すぐ回答する
確認が必要 → まず受領・期限を伝える
重要な内容 → 確認してから正確に回答する
くらいに使い分ける。
「即レス」とは、何でもその場で答えることではなく、
相手を放置しないこと
だと思っています。
最後に注意です。
「○日までに回答します」という言葉だけして対応をしない場面をよく見ます。
約束を破ることは信用をより失います。約束するからには絶対に期日までに対応をする。
それが人としての最低限のマナーです。
営業は「商談のうまさ」だけで決まらない
営業を始めた頃は、
「話が上手な人が営業できる人」
と思うこともあるかもしれません。
もちろん、説明力やコミュニケーション能力は大切です。
でも、営業を続けていると、それだけではないと感じます。
約束を守る。返信する。期限を守る。分からないことを確認する。
必要な人を巻き込む。次のアクションを決める。
どれも派手ではありません。
でも、
「この人に任せておけば大丈夫」
と思ってもらえる営業は、こうした基本をきちんと積み重ねています。
一度のすごい提案より、
毎回ちゃんと対応してくれること。
長くお客様と付き合う法人営業では、特に大切なのではないでしょうか。
営業は人と人を繋ぐ仕事だと考えています。
私は誠実な対応を常にしているかを胸に手を当てて取り組むようにしています。
まとめ|商談が終わってからが営業の差になる
営業では、どうしても商談そのものに注目しがちです。
でも、商談が終わった後に何をするかで、案件の進み方やお客様からの信頼は変わってきます。
僕が商談後に大切だと考えているのは、この5つです。
- 商談で発生した宿題を整理する
- 宿題にはできるだけ早く着手する
- 商談内容を「顧客の課題」に変換する
- 次のアクションを必ず決める
- 必要な社内共有・相談をすぐ行う
どれも、特別な営業テクニックではありません。
だからこそ、差がつきます。
誰でもできることを、
毎回ちゃんとやる。
商談で約束したことを忘れない。できるだけ早く動く。相手が困っていることをもう一度考える。
次の一歩を決める。必要なら周囲をすぐ巻き込む。
その積み重ねが、少しずつ、
「この営業なら任せられる」
という信頼につながっていくのだと思います。
次の商談が終わったら、そのまま次の仕事に移る前に、まず5分。
「この商談の次の一手は何だろう?」
と整理してみてください。
その5分が、次の商談や案件の結果を変えるかもしれません。
