30代になってから、
「今から資格を取る意味はあるのだろうか」
と考える人もいると思います。
資格を取れば、昇進できる。
転職で有利になる。
年収が上がる。
そんなイメージを持つこともあるかもしれません。
私自身、会社員として働きながら、簿記2級や情報処理安全確保支援士など、いくつかの資格を取得してきました。
ただ、実際に資格を取ってみて感じたのは、資格を取っただけでは、仕事もキャリアも大きく変わらないということです。
私の場合、資格を取得したからといって、それが直接昇進につながったわけではありませんでした。
それでも、資格を取ったことに意味がなかったとは思っていません。
簿記の知識が法人営業の仕事につながったり、セキュリティの知識によって顧客との対話に自信を持てるようになったりしたからです。
さらに、資格取得を続けたことで、社内で「勉強を続けている人」という自分なりの特徴もできました。
この記事では、30代会社員の私が実際に資格を取って感じた、「資格を取る意味」と「資格を取った先」について書いてみます。
資格を取っても、昇進にはつながらなかった
資格を取得する前は、どこかで
「資格を取れば、会社からの評価にもつながるのではないか」
という期待を持っていました。
もちろん、知識を身につけることが一番の目的です。
それでも、仕事をしながら時間を作って勉強し、試験に合格するわけですから、その努力が会社からの評価につながればうれしいと思っていました。
しかし、現実はそれほど単純ではありませんでした。
私の場合、資格を取得したことが直接昇進につながったわけではありません。
理由の一つとして感じたのが、上司がその資格について詳しく知っているとは限らないということです。
自分にとっては何時間も勉強して取得した資格でも、上司が資格に関心を持っていなければ、
「その資格で何を学ぶのか」
「どのくらいの知識が必要なのか」
「仕事にどう生かせるのか」
まで理解してもらえるとは限りません。
当時の私は、それに対して強い不満を持ったというより、
「まあ、そんなものか」
という感覚でした。
そして、この経験から少しずつ、
資格を取ることと、資格を仕事や評価につなげることは別なのだ
と考えるようになりました。
難しかったのは、資格を取ることより「知識と実務をつなげること」
資格の勉強では、試験に合格するために必要な知識を体系的に学べます。
一方で、資格を取った翌日から、その知識を仕事で使いこなせるわけではありません。
私自身、資格を取得してから難しいと感じたのが、
「勉強した知識を、実際の仕事とどう結びつけるか」
ということでした。
試験問題であれば、問題を読んで答えを出します。
しかし、実際の仕事では、
「ここは簿記2級のこの知識を使いましょう」
「これは情報処理安全確保支援士で勉強した内容です」
と教えてくれる人はいません。
自分で仕事をしながら、
「これ、資格の勉強でやったことだ」
と一つずつ結びつけていく必要がありました。
私の場合、その感覚を特に持ったのが、簿記2級と情報処理安全確保支援士です。
簿記2級で、担当企業を見る視点が変わった
私はIT企業で法人営業をしています。
そのため、経理の仕事をしているわけではありません。
それでも、簿記2級で勉強した知識が仕事につながる場面がありました。
一つが、担当している企業の財務諸表を見るときです。
簿記を勉強したことで数字の意味を以前より理解できるようになり、財務諸表を見ながら、
「この会社にはこういう特徴があるのか」
と考えられるようになりました。
法人営業では、商品やサービスの知識だけでなく、相手の会社を理解することも重要です。
簿記を勉強したことで、そのための視点が一つ増えたと感じています。
また、自社の仕事でも「仕入」「売上」「販管費」といった言葉は普通に出てきます。
以前から言葉としては知っていましたが、簿記を勉強したことで、それぞれの意味をより正しく理解できるようになりました。
簿記2級を取ったから昇進したわけではありません。
それでも、仕事の中で見えるものが少し増えた。
私にとっては、これも資格を取った意味の一つでした。
情報処理安全確保支援士は、顧客との対話への自信につながった
もう一つ、仕事とのつながりを強く感じているのが、情報処理安全確保支援士です。
私はIT企業で法人営業をしているため、顧客とシステムについて話す機会があります。
当然、その中ではセキュリティについて話すこともあります。
営業なので、実際にシステムを設計・構築する専門職ではありません。
それでも、顧客と対話する以上、セキュリティについて一定の理解は必要です。
情報処理安全確保支援士の勉強を通じて、セキュリティについて体系的に学んだことで、以前よりも自信を持って顧客システムのセキュリティについて対話できるようになりました。
もちろん、資格を持っているからといって、何でも分かるわけではありません。
専門的な判断が必要なところでは、技術部門の力も必要です。
それでも、自分自身が内容を理解したうえで顧客と話せることは、法人営業として意味があると感じています。
資格そのものではなく、資格で得た知識を本業にどう持ち込むか。
ここまでできて、ようやく資格と実務がつながったように思います。
資格は評価されなくても「勉強を続ける人」という特徴になった
資格を取って感じた意外な効果もあります。
それが、
「勉強を続けている人」という自分のキャラクターができたこと
です。
私の周囲には、継続して資格取得に取り組んでいる人があまりいませんでした。
そのため、いくつかの資格取得を続けていると、
「資格をたくさん持っている人」
というより、
「仕事をしながら勉強を続けている人」
という見られ方をするようになりました。
資格一つひとつが直接評価されたわけではありません。
それでも、周囲に同じような人があまりいなかったからこそ、継続して勉強していること自体が自分の特徴になったのだと思います。
これは、資格を取り始めたときには考えていなかったことでした。
資格そのものの価値と、資格を取り続けることで生まれる自分の見られ方は、少し違う。
会社員として働いてきて、そう感じています。
昔は「資格を取った先」まであまり考えていなかった
振り返ってみると、以前の私は、
「この資格を取ったあと、その知識を仕事でどう使うか」
まで深く考えて資格を選んでいたわけではありません。
将来的に中小企業診断士にも挑戦したいと考えていたため、関連する知識を身につけることや、資格によっては科目免除につながることも意識していました。
そのため、どちらかというと**「資格を取得すること」側に意識が向いていた**と思います。
ところが、実際に資格を取って仕事を続けていると、当初想定していなかったところで知識が役立ち始めました。
簿記の知識が担当企業を理解することにつながる。
セキュリティの知識が顧客との対話につながる。
そして資格取得を続けることが、「勉強を続ける人」という自分の特徴にもなる。
資格を取る前に想像していた価値と、取ったあとに感じた価値は、必ずしも同じではありませんでした。
今は「資格を取ったあとに何をしたいか」まで考える
今も私は、中小企業診断士に挑戦したいと考えています。
ただ、以前と比べると、資格に対する考え方は少し変わりました。
今は、
「資格を取ったあと、その知識を何に使いたいのか」
まで考えています。
中小企業診断士の勉強を通じて経営についての知識を身につけ、それを現在の法人営業の仕事に生かしたい。
管理職として仕事をするうえでも、経営についての理解を深めたい。
そして将来的には、副業を始めるきっかけにもできたらと考えています。
資格を取ること自体をゴールにするのではなく、その先にある仕事やキャリアまで考えるようになりました。
本業と育児で身動きが取れない今だから、知識を身につけておきたい
とはいえ、今すぐ新しいことを何でも始められるわけではありません。
私には本業があり、育児もあります。
副業を本格的に始めたり、自由に新しい仕事へ挑戦したりするには、時間的な制約があります。
正直、今は身動きが取りにくい時期です。
だからといって、何もしないで数年を過ごしたいとも思いません。
今すぐ大きく動けなくても、知識を身につけることはできる。
そう考えています。
経営について勉強しておけば、その知識は今の法人営業や管理職の仕事でも使えるかもしれません。
そして将来、子育てなどが落ち着いて今より動けるようになったとき、副業など新しいことに挑戦するための土台になるかもしれません。
資格を取ったからといって、人生が急に変わるとは思っていません。
それでも、今できることを積み重ねて、将来できることを少しずつ増やしていく。
30代になった今は、資格をそんなふうに考えるようになりました。
30代で資格を取るなら「取った先」を考えてみる
30代になると、20代の頃より仕事の責任が増えたり、家庭や育児に使う時間が増えたりします。
私自身、本業と育児がある中で勉強時間を作っています。
だからこそ、これから資格を選ぶときは、
「この資格に合格できるか」だけでなく、「この知識をどこで使うか」まで考えること
が大切だと思っています。
今の仕事で使うのか。
将来やりたい仕事につなげるのか。
管理職として必要な知識を補うのか。
副業など、会社の外でできることを増やすために学ぶのか。
目的は人によって違います。
私自身、以前はそこまで明確に考えずに資格を取っていました。
だからこそ今は、資格名や難易度だけを見るのではなく、その先まで考えるようになりました。
まとめ|資格を取ることより、取ったあとにどう使うか
資格を取得しても、私の場合は直接昇進につながりませんでした。
上司がその資格について詳しく知らないこともありました。
「資格を取れば評価される」と考えるのであれば、期待した結果とは違ったとも言えます。
それでも、私は資格を取ったことを無駄だったとは思っていません。
簿記2級で学んだ知識によって、担当企業の財務諸表を以前より理解できるようになりました。
情報処理安全確保支援士の勉強によって、IT企業の法人営業として、顧客システムのセキュリティについて自信を持って対話できるようになりました。
そして資格取得を続けたことで、周囲から「勉強を続けている人」と見られるようにもなりました。
資格そのものがキャリアを変えてくれるわけではありません。
資格で得た知識を、今の仕事やこれからのキャリアとどう結びつけるか。
そこまで考えて初めて、資格を取る意味が見えてくるのだと思います。
今の私は、本業と育児があり、すぐに大きくキャリアを動かせる状況ではありません。
それでも、いつか動けるときに備えて、今は知識を身につけておく。
そして、今の仕事にも少しずつ生かしていく。
それが、30代会社員の私が今考えている「資格を取った先」です。
