わが家では、子どもが小学5年生から中学受験に挑戦しています。
私自身も仕事で管理職になり、家庭では赤ちゃんが生まれた時期と重なりました。
「勉強するのは子どもだから、親はサポートすればいい」
最初はそう考えていましたが、実際に中学受験に向き合ってみると、想像以上に親の時間と精神力が必要だと感じています。
塾の送迎、スケジュール管理、模試の結果確認、学校説明会、志望校選び、過去問、食事や体調管理。
そして当然ながら、親には親の仕事があります。
仕事が忙しい時期と、子どもの受験が大変な時期が重なることもあります。
特に30代・40代は、会社では責任のある仕事を任されるようになり、家庭では子育ての負担も大きい時期です。
だからこそ、中学受験と仕事を両立するためには、ただ「頑張る」のではなく、最初に家庭としての方針を決めておくことが大切だと思います。
今回は、中学受験と仕事を両立する親が、受験生活の早い段階で考えておきたいことをまとめます。
中学受験は「子どもだけの受験」ではないと理解する
まず知っておきたいのは、中学受験は子どもだけが頑張れば完結するものではないということです。
もちろん、実際に試験を受けるのは子どもです。
しかし、小学生が一人で受験に必要なことをすべて管理することはできません。
たとえば、
- 塾や家庭学習のスケジュール管理
- 模試や学校説明会の申し込み
- 志望校についての情報収集
- 塾への送迎
- プリントや教材の整理
- 食事や睡眠などの体調管理
- 学校行事との調整
など、親が関わる場面は少なくありません。
学年が上がるほど予定も増えていきます。
そのため、「仕事の空いた時間で対応すればいい」と考えていると、かなり苦しくなります。
中学受験を始めるのであれば、家庭全体のスケジュールが大きく変わると考えて、覚悟したほうがいいと思います。
「どこまで受験を優先するか」を夫婦で話しておく
中学受験を始める前に、夫婦で話しておきたいことがあります。
それは、「わが家は、どこまで中学受験を優先するのか」ということです。
中学受験に対する考え方は家庭によって違います。
「第一志望に合格するためなら、ある程度生活を受験中心にしたい」という家庭もあれば、
「受験は大切だけれど、家族の時間や習い事も大切にしたい」という家庭もあります。
どちらが正解という話ではありません。
大切なのは、夫婦の考え方をある程度そろえておくことです。
ここが曖昧なままだと、受験が本格化したときに、
「もっと勉強させたほうがいいんじゃない?」「そこまで受験中心にしなくてもいいんじゃない?」
と、親同士の温度差が出てくることがあります。
特に夫婦のうち、どちらかが中学受験経験者、片方が未経験者の場合は、学年が上がるにつれ考え方に差が生まれます。
仕事とのバランスについても同じです。
有給休暇をどのくらい受験関連で使うのか。学校説明会には誰が行くのか。
塾の面談には誰が参加するのか。受験直前期に仕事を調整できるのか。
早い段階で話しておくだけでも、後々の負担はかなり変わってきます。
わが家の場合、中学受験を考え始めた時期は、家庭でも仕事でも大きな変化が重なっていました。
私自身は仕事で管理職になり、家庭では赤ちゃんが生まれました。
仕事の責任は増え、家に帰れば子育てもある。そんなタイミングで、上の子の中学受験が本格的に始まりました。
もともとわが家では、「私立中学ならどこでもいい」と考えていたわけではありませんでした。
私立に進学するのであれば、本人が行きたいと思える学校、そして親としても「ここなら通わせたい」と思える学校を目指したい。
そうでなければ、公立中学校に進むという選択肢もあると考えていました。
一方で、子どもが受験勉強を始めたのは小学5年生から。決して早いスタートではありません。
最初から勉強がうまくいったわけでもなく、思うように成績が伸びない時期もありました。
ところが、そんな中で子ども自身が「この学校に行きたい」と言い始めました。それは当時の成績から考えると、かなり偏差値の高い学校でした。
親としては悩みました。
「本当にそこを目指せるのだろうか」
「もっと現実的な学校を考えたほうがいいのではないか」
「仕事も家庭も忙しい中で、どこまで受験を優先するべきなのか」
管理職としての仕事、赤ちゃんの子育て、そして中学受験。すべてのタイミングが重なったことで、正直、大変だと感じることもありました。
それでも、子ども自身が行きたい学校を見つけて挑戦したいと言っている以上、最初から親が可能性を決めてしまうのも違うのではないか。
今は、合格だけを親の目標にするのではなく、子どもが自分で決めた目標に挑戦することを、家族としてできる限り支えるという考えを大切にしています。
親が全部やろうとしない
中学受験と仕事を両立するときに、特に気をつけたいのが「全部ちゃんとやろう」とすることです。
仕事も頑張る。子どもの勉強も見る。塾の予定も把握する。学校のこともやる。
家事もやる。休日には家族との時間も作る。
すべてを100点にしようとすると、親のほうが先に疲れてしまいます。
だからこそ、意識したいのは、
「親がやるべきこと」と「やらなくてもいいこと」を分けること。
たとえば、勉強そのものは塾に任せ、家庭学習で分からないことがあれば塾の先生に聞いてもらう。
丸付けは子どもがやる。
親は勉強を教えるのではなく、生活リズムを整えることに集中する。
夫婦で送迎を分担する。ネットで済ませられる手続きはできるだけオンラインで行う。
家事も忙しい時期には便利なサービスを使う。中学受験は短距離走ではありません。
長期間続くからこそ、親にも「続けられる仕組み」が必要です。
こうすることで、子どもは子ども自身でやることを理解し、自立した勉強方法を身に付けることにも繋がります。
仕事にも「受験の繁忙期」があることを織り込む
会社員として働いていると、自分の仕事の繁忙期はある程度分かると思います。
年度末が忙しい。決算期が忙しい。大型案件の時期は帰宅が遅くなる。
異動の時期はバタバタする。同じように、中学受験にも忙しくなる時期があります。
特に受験学年になると、模試や学校説明会、過去問、出願など、やることが一気に増えていきます。
そして当然、入試本番があります。
問題なのは、仕事の繁忙期と受験の繁忙期が重なる可能性があることです。
仕事と中学受験、どちらも「後回し」にできなかった
実際に中学受験が始まって感じたのは、仕事と受験のどちらかを単純に優先すれば解決するわけではない、ということでした。
仕事が終わっていなくても、塾の送り迎えに行かなければならない日があります。
「もう少し仕事をしてから帰りたい」と思っても、塾の終了時間は待ってくれません。時間になれば仕事を切り上げて、親としての役割に切り替える必要があります。
一方で、管理職という立場になると、自分の仕事だけを終わらせればいいわけでもありません。
後輩や部下との関係づくりも大切です。普段の仕事でのコミュニケーションはもちろん、ときには飲みに行ったり、仕事以外の話をしたりすることも、チームをつくっていくうえでは必要だと私は考えています。
だからといって、仕事や職場の付き合いを優先して、中学受験をすべて家族に任せたいわけでもありません。
平日は仕事をして、時間になれば塾の送り迎え。ようやく週末になったと思えば、学校説明会や模試、学校見学などの予定が入ります。
気がつけば、「今週はどこで休めばいいんだろう」と思うような時期もありました。
仕事も中途半端にしたくない。管理職としてチームも大切にしたい。そして、子どもが自分で決めた中学受験もできる限り支えたい。
どれか一つが大切なのではなく、どれも自分にとって大切だからこそ、両立が難しい。
中学受験と仕事を両立するようになってから、「空いた時間で受験をサポートする」という考え方ではうまくいかないことを実感しました。
だから私は、受験の予定を先に把握し、学校説明会や模試など外せない予定がある週は、仕事をできるだけ前倒しするようにしています。
すべてを完璧にこなすことはできません。それでも、仕事か家族かの二択にするのではなく、その時々で優先順位を決めながら、どちらにも向き合っていく。
今のところ、それがわが家なりの「仕事と中学受験の両立」だと感じています。
子どもの成績と親の感情を結びつけすぎない
中学受験をしていると、どうしても成績が気になります。
模試の偏差値が上がった。クラスが上がった。逆に成績が下がった。第一志望の判定がよくなかった。
親も一緒に頑張っているほど、結果に一喜一憂してしまいます。
しかし、親が仕事で疲れているときほど注意が必要です。
仕事で嫌なことがあった日に、子どもが勉強していない。模試の結果も悪かった。
そんな状況が重なると、必要以上に強く言ってしまうこともあるかもしれません。
でも、仕事のストレスと子どもの受験は別の問題です。
そして模試の結果は、あくまでその時点での結果です。
親が結果に振り回されすぎると、家庭全体が受験の成績によって明るくなったり暗くなったりするようになります。
これは親にとっても子どもにとっても疲れます。
成績を見ることと、感情まで成績に支配されることは別。
これは中学受験期間中、親が意識しておきたいことの一つだと思います。
私自身も、模試の結果を見ると気になってしまいます。
「もう少し勉強したほうがいいんじゃないか」と思うこともありますし、仕事で疲れて帰ってきたときに子どもがのんびりしていると、つい口を出したくなることもあります。
でも、そこで親の焦りをそのまま子どもにぶつけても、良い方向には進まない。
最近は「これは子どもの課題なのか、それとも自分が焦っているだけなのか」を一度考えるようにしています。
「家族の時間」をゼロにしない
受験が本格化すると、休日も塾や模試で埋まっていきます。
以前なら家族で出かけていた土日も、気づけば受験中心になっている。
これはある程度仕方がないことかもしれません。
ただ、個人的には、受験期間中でも家族の時間を完全になくす必要はないと思っています。
丸一日旅行するのが難しければ、一緒に夕食を食べる。
少し散歩する。好きなテレビを見る。近所に出かける。
そんな短い時間でもいい。
受験は大切です。でも、中学受験は家族の人生の目的ではありません。
子どもにとっても親にとっても、受験期間そのものが家族の大切な時間です。
「あの頃は受験しかしていなかった」ではなく、「大変だったけれど、家族で頑張ったよね」
と思える期間にできたら、それが一番いいのではないでしょうか。
親自身が疲れ切らないことも受験対策
中学受験というと、どうしても子どもの体調管理が中心になります。
睡眠時間を確保する。栄養のある食事を用意する。
風邪をひかないようにする。もちろん、どれも大切です。
ただ、もう一つ忘れたくないのが親自身の体調管理です。
仕事で疲れ、帰宅してから受験のサポートをして、休日も塾や学校説明会。
これを長期間続ければ、親も疲れます。
親に余裕がなくなると、家庭の空気にも影響します。
だから、休めるときには休む。夫婦のどちらかに負担が偏りすぎないようにする。
受験とは関係のない自分の時間も少し持つ。
親が元気でいることも、中学受験を支えるための大切な準備だと思います。
まとめ|中学受験と仕事の両立は「頑張る」より「仕組みを作る」
中学受験と仕事を両立するために、最初に考えておきたいことをまとめました。
- 中学受験は家庭全体にも影響すると理解する
- 受験をどこまで優先するか夫婦で話しておく
- 親が全部やろうとしない
- 仕事と受験、それぞれの繁忙期を把握する
- 子どもの成績と親の感情を結びつけすぎない
- 受験期間中も家族の時間を大切にする
- 親自身が疲れ切らないようにする
仕事も大切。子どもの受験も大切。家族との時間も大切。
どれか一つだけを選べれば簡単ですが、30代・40代の会社員は、そうはいかないことが多いと思います。
だからこそ必要なのは、すべてを完璧にこなすことではありません。
限られた時間の中で、何を大切にするのかを家族で決めておくこと。
そして、忙しくなってから頑張るのではなく、忙しくなる前に仕組みを作っておくこと。
中学受験は子どもにとって大きな挑戦ですが、それを支える親にとっても長い挑戦です。
仕事も家庭も受験も、100点を目指さなくていい。
家族にとって納得できる形で最後まで走り切る。
それが、中学受験と仕事を両立するうえで一番大切なことなのではないでしょうか。
